逮捕されたときの接見（面会）の仕方教えます

逮捕された場合、心配なのはその後の生活や精神的なサポートです。そんな時に大切な人と会える「接見」があります。ここでは、接見についての基本的な情報や、実際のルール、できることなどを詳しく解説していきます。

会って話するだけでも本当に救いになりますので、もし大切な人が逮捕されたときは、会いに行ってあげてください。会いに行く側の方にもアドバイスなども下記にて解説します。

接見とは
接見の決まり事やルール
接見時にできること
1. 差し入れ
2. 宅下げ
接見禁止
弁護士との接見
まとめ

接見とは

接見（せっけん）とは、逮捕された人、つまり容疑者が外部の人々と直接会って話をすることを指します。この制度は、逮捕された人にとって非常に重要です。なぜなら、身近な人とコミュニケーションをとることで、精神的な支えを得られるからです。また、家族や友人からの情報を受け取ることで、外の世界の状況を知ることもできます。

接見は、家族や友人だけでなく、弁護士とも行うことができ、法律的なアドバイスや支援を受ける重要な機会でもあります。特に、弁護士との接見は、容疑者の権利や法的な手続きを理解するために欠かせないものです。

接見の決まり事やルール

接見にはいくつかのルールがあり、これを守ることが求められます。まず、接見を希望する場合、予約ができません。そのため早めに留置所へ伺うことをおすすめします。また、接見が許可される時間帯は、通常、平日の特定の時間に限られています。この時間帯は、各施設によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

私のいた留置所では面会可能時間は朝9:00～12:00、13:00～16:30まででした。面会は弁護士を除いて、被拘禁者1人に対して、1日1組（1or2名）だけと決まっております。また接見時間は1回15～20分です。
そのため、両親であっても、1日1組と決まっているため、同日に別々に入れないので、一緒に中に入りましょう。

接見が行われる場所は、通常、専用の接見室です。この接見室は、多くの場合はガラス越しの席で仕切られた席が設けられています。しかし弁護士との接見を除く、家族などとの面会であれば、面会時の時間に担当さん（留置係の警察官）が見張りとして接見室に同席するルールになっております。
　※中の他の被拘禁者の情報漏洩防止などのためらしいです

しかし担当さんにも容疑者の守秘義務があるため、プライバシーが完全に保護されるわけではありませんが、他の人に話の内容が広まったり、事件についての情報が漏洩する心配は比較的少なくなっています。
　※弁護士との接見時は、担当さんは接見部屋に入れないため、完全に容疑者と弁護士との1on1で接見できます。

あと気を付けないといけないのが、留置所によって接見室が何室あるか変わります。
もし1室しかないと、他の面会希望者や、他の方の弁護士との接見もその部屋を使うため、かなりの待ち時間が発生します。部屋数を事前に確認して、時間も余裕をもっていくのをお勧めします。

さらに、接見時には身分証明書の提示が求められることが一般的です。運転免許証やパスポートなどの公的な身分証明書を持参し、係員に提示する必要があります。この手続きは、接見の安全性を確保するために非常に重要です。

そして1つポイントがあります。容疑者は前日の夜に検察庁から取り調べのため呼び出しがあり、呼び出されると次の日の朝から検察庁へ移送されるため、その日は弁護士以外とは面会ができません。
呼び出しの有無は家族も分からないため、もし接見をしようと思っている場合は、その留置所に朝8:30に電話をし、「XXX(容疑者名)の接見をしたいのですが、今日は留置所にいますか？」と確認をし、「本日は身柄は留置所にあります」と回答を得た場合、行くようにしましょう。でないと無駄足になってしまう場合がございますので。

面会の時間は平日の日中帯で、1日1組（20分）まで
身柄がいない場合もあるので、当日朝に身柄の有無を電話で確認
接見室の数を事前に確認し、1室の場合は時間に余裕をもって行動を
身分証（運転免許証やパスポートなど）を忘れずに

接見時にできること

接見中には、いくつかのことが可能です。まず、差し入れについてです。接見の際には、食べ物や飲み物などを差し入れることができます。ただし、差し入れできるものには制限があります。特に、危険物やアルコール類は持ち込むことができません。差し入れの内容については、事前に確認しておくことが重要です。この差し入れが、逮捕された人にとっては精神的な支えとなり、外の世界とつながる重要な要素となります。

差し入れ

接見時に行う差し入れでは、逮捕された人に本や洋服や現金などを渡すことができます。差し入れできるものには、通常、条件が設けられていますので、差し入れを行う際には、警察署や留置所に事前に確認し、受け入れ可能な品目を調べておく必要があります。また接見同様、身分証明書を提示する必要があります。

差し入れについては過去の記事経験者が語る留置所で役立つ差し入れをご覧ください。

このように、差し入れは逮捕された人にとって、外の世界とのつながりを感じられる貴重な手段です。
もし大切な人が逮捕された際には、ぜひ差し入れをしに行ってあげてください。

宅下げ

接見の際に差し入れはイメージつくと思うのですが、逆に容疑者が弁護士や、外の家族などに物品を渡す行為を「宅下げ」といいます。

逮捕されているのに何を渡すねんと思うかもしれませんが、逮捕されたときは実はいろいろなものを宅下げします。

私が宅下げしたのは下記です。

弁護士の先生との契約書
退職届（その他会社の書類関連）
読み終わった本
クレジットカードやキャッシュカード

こちらから外の人にものを渡す行為をすべて宅下げというため、細かいですが、弁護士の先生へ依頼する際の契約書も、一度際入れで渡されサインした後、宅下げをして先生に渡すと言った流れで利用します。

なので逮捕された際の会社とのやりとりする書類や、退職届など、弁護士の先生通じて会社ともやり取りし、書類関連も渡したりしました。

あと多いのは、クレジットカードやキャッシュカードなんかも家族に宅下げする人は多いです。
中で持っていても使えないし、お金も下ろせないので、宅下げして外の人からおろしてもらって、現金を差し入れしてもらう逆輸入や、クレジットカードの支払いもお願いするために渡したりしている人も多いです。

最後に多いのは読み終わった本です。
本はたくさん差し入れもしてもらい読みますが、最終的に外に出る際に持ちきれないため、読み終わって再度読まないなという本は、宅下げして少しづつ持って帰ってもらい、荷物を減らすことをおすすめします。

宅下げは、逮捕された人が生活を送る上での支えとなり、少しでも快適に過ごす手助けとなりますので、差し入れ同様で接見に着た際にぜひ利用してください。

接見禁止

接見が禁止される場合もあり、これは特に注意が必要です。接見禁止となる主な理由には以下のようなものがあります。

逃走の恐れ: 逮捕された人が逃げる可能性があると判断された場合、接見が禁止されることがあります。特に、逮捕歴がある場合や、証拠隠滅のために接見が必要と判断された場合にこの措置が取られます。
証拠隠滅の恐れ: 他の被拘禁者や外部の人と接見することで、証拠を隠滅する恐れがある場合も、接見が制限されることがあります。
他の容疑者との関係（共犯）: 逮捕された人が他の容疑者との接触を持つことが、トラブルや暴力行為につながると判断された場合、接見禁止が適用されることがあります。

接見禁止は、逮捕された人にとって精神的な負担が大きくなるため、できるだけ早くその理由を確認し、必要に応じて弁護士に相談することが重要です。弁護士は、接見禁止に対して異議を申し立てたり、状況を改善するためのサポートを提供してくれるでしょう。

接見禁止が付いている間は、弁護士以外とはたとえ家族でも接見ができないため、弁護士の先生に依頼をし、裁判所へ異議申し立てをして、接見禁止をいち早く解いてもらうことをおすすめします。

弁護士との接見

弁護士の先生との接見は、特別に認められている重要な権利です。弁護士は容疑者の法的な権利を守るための重要な役割を果たしますので、弁護士との接見は法律的な支援を受けるための大切な機会です。以下に、弁護士との接見の特徴を詳しく説明します。

時間に制限がない: 弁護士との接見は、他の接見とは異なり、時間に制約がありません。これは、法的な相談が重要であり、必要なだけ話し合うことができるためです。
プライバシーが保護される: 弁護士との接見は、原則としてプライバシーが保護されています。相談内容が外部に漏れることはないため、安心して法的なアドバイスを受けることができます。
法律的支援の強化: 弁護士との接見では、容疑者の状況や今後の法的手続きについて詳しく話し合うことができます。弁護士は、逮捕された人の権利を守るために、最善のアドバイスを提供してくれるでしょう。

上記にもあるように、時間の制限が無く、いつでも相談ができるのが容疑者の唯一の権利と言っていいでしょう。
そのため、通常家族が面会できない時間である夕方以降や深夜、また土日なども弁護士の先生となら接見できるため、うまく活用しましょう。

弁護士を呼ぶ権利はいつでも使えるため、呼びたい際には、担当さん（警察官）に頼んで、弁護士の先生の事務所へ電話を残してくれることも可能ですので、それで呼び出しをすることが多いです。