逮捕されたら外に出られない?保釈について徹底解説!

逮捕や勾留の後、被拘禁者が一時的に自由を取り戻すための手続きが「保釈」です。保釈は、逮捕された人が捜査や裁判に参加しやすくするための制度ですが、具体的にはどのような仕組みになっているのか、どのように申請し、どのような条件があるのかを詳しく解説します。

保釈とは

保釈とは、逮捕や勾留を受けた人が、一定の条件を満たすことで一時的に自由の身となることを指します。これは、被拘禁者が今後の捜査や裁判に出廷することを前提に、身柄を拘束されない状態を意味します。保釈が認められると、通常は自宅で待機しながら、必要な手続きや準備を進めることができます。

保釈の手続き

保釈を希望する場合、まずは保釈申請を行う必要があります。この申請は、弁護士が代理で行うことが一般的です。保釈申請には以下のような手続きが含まれます。

  1. 申請書の提出: 弁護士が所定の様式に従って保釈申請書を作成し、裁判所に提出します。この際、保釈の理由や保証人についても記載します。
  2. 保証金の設定: 裁判所は、保釈が認められた場合、保証金の額を決定します。この保証金は、被拘禁者が出廷しなかった場合に没収される可能性があります。保証金の額は、事件の内容や被拘禁者の背景によって異なることがあります。
    • 保釈金の相場: 保釈金の額は、数万円から数百万円まで幅広く、事件の性質によって大きく変動します。例えば、軽微な犯罪であれば数万円程度で済むことがありますが、重大な犯罪や企業犯罪に関わる場合、数百万円から数千万円に達することもあります。
    • カルロス・ゴーンの事例: 2020年に逮捕されたカルロス・ゴーン氏の場合、保釈金は約1億円(約950万ドル)と報じられました。この金額は、彼の財力や事件の性質から高額に設定されたものであり、彼の保釈は多くのメディアで取り上げられました。ゴーン氏は、保釈後も逃亡の危険性が指摘され、最終的には自らの国に逃げる結果となりました。このケースは、保釈金の額が必ずしも出廷を保証するものではないことを示す一例です。
  3. 審理: 裁判所は保釈申請を審理し、保釈の可否を決定します。この際、被拘禁者が逃走する恐れがあるかどうか、証拠隠滅の可能性があるかどうかなどが考慮されます。
  4. 決定通知: 裁判所が保釈を認めた場合、正式に決定通知が発行され、保証金を納付することで自由になります。

保釈の条件

保釈が認められるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。これには以下のような点が含まれます。

  • 逃走の恐れがないこと: 被拘禁者が逃げる可能性が低いと判断されることが必要です。過去に逃走歴がある場合や、国外に逃げる可能性がある場合は、保釈が認められにくくなります。
  • 証拠隠滅の恐れがないこと: 逮捕された人が証拠を隠滅する恐れがないことが求められます。これは、事件に関与している可能性のある人と接触することが考えられる場合には、保釈が難しくなる要因となります。
  • 社会的な信頼性: 保釈を申請する際、被拘禁者の社会的な地位や家族の支援状況も考慮されます。例えば、家族が支えとなる場合や、職業において社会的な信用がある場合には、保釈が認められやすくなることがあります。

保釈が認められない場合

保釈申請が却下されることもあります。主な理由には以下のようなものがあります。

  • 逃走のリスク: 逃走の恐れがあると判断された場合、保釈は許可されません。特に重大な犯罪や、逮捕歴がある場合には、逃走の可能性が高いとみなされます。
  • 証拠隠滅の恐れ: 証拠を隠蔽する可能性がある場合、保釈は許可されません。この場合、警察が捜査を続けている段階では特に厳しい判断がされます。
    取り調べの際に黙秘や否認をしていると保釈が認められない場合が多いです。
  • 公の安全に対する脅威: 被拘禁者が社会に対して危険であると判断された場合、保釈が拒否されることがあります。

準抗告について

保釈が認められた場合、検察官はその決定に対して準抗告を行うことができます。準抗告とは、保釈の決定に対して不服がある場合に、上級の裁判所に対して異議を申し立てる手続きです。この準抗告が行われると、保釈の実施は一時的に保留されることがあります。

  • 準抗告の流れ: 検察官が準抗告を行った場合、上級裁判所がその内容を審査します。もし準抗告が認められると、保釈が取り消されることもあります。また、準抗告の結果が出るまでに時間がかかる場合もあるため、保釈後すぐに自由になるわけではないことを留意する必要があります。

保釈後の注意点

保釈が認められた場合、以下の点に注意が必要です。

  • 出廷義務: 保釈後は、裁判や捜査に対して出廷する義務があります。出廷を怠った場合、保証金が没収され、再び拘束される可能性があります。
  • 行動制限: 保釈中は、特定の行動制限が課されることがあります。例えば、特定の人物と接触しないことや、指定された住所から離れないことが求められる場合があります。
  • 弁護士との連絡: 保釈後も弁護士と密に連絡を取り、今後の手続きや対策を相談することが重要です。

まとめ

保釈は、逮捕や勾留の状況において、被拘禁者が一時的に自由を得るための大切な制度です。手続きや条件があり、場合によっては保釈が認められないこともありますが、適切に準備を進めることで、少しでも早く自由を手に入れることが可能です。

大切な人が逮捕された場合は、早めに弁護士に相談し、保釈の手続きについて考えることが重要です。保釈を通じて、逮捕された人の精神的な負担を軽減し、法的な手続きをスムーズに進める助けとなるでしょう。

たかが数か月と思うかもしれませんが、実際に逮捕から裁判を終えて思ったのが、保釈の重要性です。
外に出られて俯瞰して物事を考えるようになりましたし、裁判に向けて弁護士の先生や、情状証人の対応などやることはたくさんあります。

中にいて時間を過ごすよりも外での時間の方がこの後の裁判に向けて有意義な時間になったとすごく感じております。ぜひ可能であれば保釈ができ裁判に臨めるといいですね。

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