もし大事な人が逮捕されたら

まず大事な人が逮捕された場合、起訴されるまでの事件の犯人と疑われている期間を「被疑者」と言います。
マスコミなどは「容疑者」とも言います。
私が逮捕された際に、妻や両親がしてくれた体験をもとに、やるべきこと、してくれて助かったことをお伝えします。
もし身内が逮捕された際に家族や関係者が被疑者に対して、急いでした方が良いこと、できることは下記の3点になります。

  • 弁護士に急ぎ相談+依頼
  • 接見+差し入れ
  • 示談依頼+保釈請求依頼

特に逮捕されてから、起訴されるまで約3週間しかないため、被疑者とのコンタクトや示談などの対応について大切なのは初動の速さです。本当にスピードが命です!!!

やらないといけないことや、被疑者のためにできることを順にお伝えしていきます。

弁護士に急ぎ相談+依頼

まず最初に絶対に必要なことは、弁護士に相談し、正式に依頼をすることです。


また実際に私の経験からして、その事件の分野に強い私選の弁護士を探し依頼することがおススメです。

~不起訴、起訴猶予、示談を目指す~

まず身内が逮捕されたと聞いた際に、実際は何も考えられないくらい焦るとは思いますが、1つ安心してください。
逮捕されてから3週間後に検察が”起訴”し、裁判することになるのですが、そのタイミングで起訴ではなく”不起訴”や”起訴猶予”といった処分を下すことがあります。

この”不起訴”や”起訴猶予”をもらうことができれば、所謂無罪とほぼ変わらず、逮捕された本人の”前科”は付かず、もし社会復帰する転職するとなった際に、特に履歴書などにも記載する必要もなく、復帰しやすいと言ったメリットがあります。(正確に言うと前科は付かないが、逮捕された事実があるので”前歴”は付きます)。
なので、逮捕された場合この不起訴獲得をまずは目指す必要があり、そのために弁護士の協力が不可欠です。

事件の種類にもよりますが、被害者がいる場合は不起訴を得るためには”示談”が必須です。
しかし、本人は逮捕されており被害者と連絡を直接取ろうにも取れない。また、被害者側も被疑者に対して恐怖心や嫌悪感を持っていることが多いため、手紙などで連絡を取ろうにも受け入れてもらえないことが多いです。
そのため、刑事事件に強い弁護士に依頼し、代わりに示談の交渉をしてもらうことが大切です。

また、なぜ弁護士の協力が必要かというと、逮捕された被疑者と24時間どんな時でも弁護士は接見ができ、やり取りが可能だからです。(接見許可がないと家族もまだ会えない状況です)。
逮捕された被疑者と家族が直接やりとりができるのは、接見許可が下りてからです。

拘留されている警察署へ連絡し接見依頼をして、被疑者の身柄がその日にあるかを確認します。

接見できる時間は警察署にもよりますが、平日の9:00~12:00,13:00~17:00と時間が決まっており、接見の時間も15~20分と短いため、まともにやりとりができません。
なので、被疑者と意思疎通を図るためにも弁護士の協力が必要なことは明らかです。

逮捕された被疑者は、1度だけ無料で弁護士に相談できる「当番弁護士」制度がございます。
大半の被疑者はその制度を利用し、弁護士を通じて外にいる家族や関係者に連絡を取り、逮捕されていることを伝えるでしょう。(私は自分からその制度を使用したい旨申し出ました)。
そのまま当番弁護士の方と正式契約をすることもありますが、預貯金が50万以下の場合は無料で弁護士と契約することができる「国選弁護士」制度を活用し、契約することも可能です。
国選弁護士制度を使う場合は、再度依頼をかけてから弁護士と会えるまで2~3日程かかることもあり、この間に必須の”スピード感”にも欠けるため、お抱えの弁護士がいる場合ではなければ、外にいる身内や関係者がその事件の分野に強い弁護士を探し、急ぎ協力の依頼をするのが良いと思います。
 ※弁護士の探し方や、制度についてはまた別途記載します。

接見+差し入れ

次に被疑者の家族や関係者が被疑者のためにした方が良いことは、“接見”に行き話すこと、また“差し入れ”です。

加害者が何言っているんだ、被害者の方が辛いだろうという話で自業自得なのですが…私自身逮捕された際に、やはり精神的に気持ちが追い込まれておりました。

今まで逮捕されることとは無縁の生活をしており、自分が逮捕されるとは思っていなかった状況でいきなり逮捕されたため、留置所では生きた心地はしなくて震えていました。
もちろん被害者の方が辛いし、逮捕された被疑者の家族は被疑者と同じように辛いです。

しかし、いざ自分が逮捕された際には正直自分以外のことに頭が回らないくらい、なぜ自分がどうして…と追い込まれてしまった(自分はこのまま実社会へは戻れない、昔の生活に戻れないと追い込まれ、このまま自殺したいという気持ちもよぎりました)。

そんな状況で助けられたのは、やはり大事な家族との繋がりです。
私自身が罪を犯してしまい、妻や両親へ迷惑をかけたのにも関わらず、接見に来てくれて、私のことを見捨てずに話してくれました。
怒るのではなく、むしろ「気をしっかり持て」とアドバイスや心配をしてくれました。

私からこのブログを読んでくださっている加害者の家族や関係者の方にお伝えしたいことは、自業自得で逮捕・勾留されてしまいましたが、この期間は特に被疑者は弱っています。

そんな被疑者に怒りやイラつく気持ちはあるとは思いますが、まずは被疑者の気持ちが落ち着くまでは優しく支えてあげてください(私はそれで助けられました)。
もちろん怒ることも大切です。この期間は被疑者に対してがむしゃらに怒るのではなく、今回事件を起こしてしまったことを共に見つめ直し、もし被害者がいたらその方に対して本当に酷いことをしてしまったことを自分で気付かせるようにしてください。
後ほど保釈された場合は15~20分だけではなく、また被疑者とたくさん話せる時間が作れますので、接見の時間では被疑者にできる限り寄り添ってあげてください。

また被疑者の家族が接見のほかに直接できることは差し入れです。
別途、留置所に差し入れできるものや、購入できるものなどは紹介しますが、差し入れが有ると無いでは中での生活が全然違います。

さきほど接見の話をしましたが、犯罪の種類や、共犯がいる犯罪だと通常”接見禁止”が付いてしまい、弁護士以外の人と面会や差し入れが禁止になります。
その場合、手紙も差し入れできないため、弁護士の先生を通じて伝えたい事や差し入れをしましょう。

示談依頼+保釈請求依頼

最後に被疑者の家族が協力できることは示談交渉と保釈請求です。
示談と保釈請求について直接の対応は、依頼した弁護士の先生にて対応していただくことになりますが、
そのための準備として”お金”や”身元引受人”の書類が必要です。

事件の分野にもよりますが、示談ができると逮捕から3週間後の期限までに”不起訴”処分になったり、保釈が通りやすくなります。そのため示談を進めるためのお金の準備は必須です。
示談の交渉次第で分割払いなどの手もありますが、一括払いが普通のためお金を準備し、依頼している弁護士に預けてすぐに被害者へ振り込む準備をする必要があります。

また並行して弁護士を通じてするべきことは保釈請求です。
実際外に出てできることがあるのかなど思うのかもしれませんが、とんでもない、著者の意見としては被疑者の家族のためにも保釈して外に出るべきであり、中にいて被疑者に特になることはありません。
(もちろん被害者の立場からすると、被疑者が外に出てほしくなく、あくまでも被疑者の立場からみて外にいる方がやることがあるということです)

逮捕されて勾留されながら裁判の判決でそのまま実刑で懲役になった際には、身辺整理もできていなく、残された被疑者の家族が家の解約や税金、年金、国民健康保険などの支払い関連の手続きなどやること多いです。
また昨今だとNetflixなどの各種サブスクなどの契約も多いと思います。その解約手続きなどやっておかないと、懲役の間に費用も垂れ流しになり、被疑者本人にとってもよくありません。
もし保釈中の被疑者の方で、今このブログを読んでいる方がいらっしゃいましたら、残された自分の家族のために身辺整理をしっかり片づけておきましょう。
3年以下の刑でも執行猶予が必ず付くとは限らなく、残された人のためにも念のため準備しておくに越したことはありません。

身辺整理の他にも、事件のことを一人で抱え込まないために家族と話し合う時間もたくさん必要です。また被害者に向けて反省するにも、被疑者本人が一人で考えるのではなく、家族や周りの方の客観的な意見も聞いたうえでないと気付けないことも多いです。そのためにも接見の短い時間だけではなく、家族で話す時間を多く儲けるためにも保釈は必要です。また裁判に向けて弁護士の先生とも外に出た方がやり取りもしやすく、出れるに越したことはないと思ってください。

保釈請求はトライ&エラーです。弁護士の先生に何度も裁判所へ請求を出してもらいましょう。一回で請求が下りないことも多いです。その際に下りない理由が出されるので、その理由を1つずつ潰していき保釈を目指しましょう。
また保釈する際に、身元引受人が必要で、妻や両親が被疑者をしっかり面倒見ますと身元引受人の書類を準備する必要があります。身元引受人がいないと、そもそも保釈もできません。

また保釈する際にもお金はかかります。後ほど返却はされますが、裁判へちゃんと出席し逃げないために保釈金を預けます。約150~250万ほど保釈にはかかります。被疑者の経済状況や、重い犯罪などで保釈金は変わります。
示談でもそうですが、保釈でもお金はかかるので、勾留されている被疑者の代わりにその準備が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。正直逮捕された際に被疑者本人が、留置所の中で何かできるということは少なく、弁護士の先生や外にいる家族や関係者の方が実はすることや、やるべきことが多いです。
そして起訴までの期限が3週間というのもありスピードが大事です。

今このブログを読んでくださっている被疑者の家族の方や関係者の方、辛いとは思いますが、中にいる被害者の代わりに動いて支えてあげてください。

まとめですがまず身内が逮捕された際にすべきこと、した方がいいことは下記の3点になります。

  • 弁護士に急ぎ相談+依頼
  • 接見+差し入れ
  • 示談依頼+保釈請求依頼

今度は留置所の過ごし方や、接見や差し入れについても細かく書きていきます。

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