なかなか接見の許可は下りませんでした。
弁護士の先生から差し入れでお願いしたスウエットが警察署で受け取ってもらえなかったと連絡があり、初めて息子が拘留されている警察署へ。
差し入れのルールは各警察署で異なっているようで、それに合わせてスウエットのゴムを中に仕舞い込むように縫い直しました。
靴下もくるぶしが見える靴下でなくてはいけないと言われ、主人の靴下を持参。
それをこれから息子と接見してくださる先生にお渡ししました。
「今ここにいるんだ」、「何階にいてどんな様子なんだろうか…」と警察署を見上げながら息子を想うと切なかった。
この日、なぜか警察署の写真を撮りました。
息子が逮捕されて以来、初めて撮った写真でした。
逮捕されてから、今まで普通にしていたことをしてはいけない感覚になっていたからです。
「もうこんなことはしてはいけないんだ」と自分で自分を抑えて過ごすようになっていました。
息子が勾留されているのは自業自得です。けれども家族も同じように苦しい気持ちを持ち、息子に対しては怒りや失望、「なぜこんなことを…」と疑問もいっぱいで複雑な感情が入り交じっていました。
この頃は「誰かがこんな事件で逮捕されました」というニュースがとても気になり、私たちと同じような加害者家族がまた増えたんだなと思うようになりました。
母の言葉…その4