逮捕された後、留置所で過ごすことになった場合、どんな生活が待っているのか気になるところですよね。今までの記事でも軽く触れていたのですが、今回は、留置所での生活のルールやお作法についてお話しします。これを読めば、少しでも心の準備ができるはずです!
トイレとチリ紙のルール
トイレの使い方
よく刑務所や拘置所はトイレの音がうるさいので、夜は音が響いてしまうため、流さず朝にまとめて流せと言われるのですが、留置所では特に夜は使うなとは言われませんでした。もしかしたら留置所にもよるのかもしれませんが、私の行った留置所では利用する際は特に許可も必要なく、行きたいときに行けました。
この後説明もしますが、留置所と検察庁の牢屋の中のトイレにはトイレットペーパーが無いです。都度もらう必要があるので、この後ご説明します。
また、当然ですがトイレはできるだけ清潔に使うのがマナーです。
チリ紙の扱い
留置所では、チリ紙(トイレットペーパー)の呼び方が「ちりし」です。これは、ちょっとびっくりするかもしれませんね。自殺防止のため、トイレにはチリ紙が常に置いてあるわけではありません。そのため、トイレに入るたびに担当の警察官に「チリ紙ください」とお願いする必要があります。多分「チリガミください」や「トイレットペーパーください」でも通じるのかもしれませんが、郷に入ったら郷に従えではないのですが、私も「ちりし」くださいと言ってました。
外で「ちりし」と言っていたら、すぐに逮捕歴があるとばれちゃうかもしれませんね。
服装のルール
留置所では、服装についても厳しいルールがあります。具体的には以下の点に注意が必要です。
支給される服
まず逮捕されたら、その時に着ている私服は脱がされ、留置所の服を支給されます。
支給されるのは布の白いTシャツと、グレーのスウェット上下です。
これだけ聞くと特に普通ですが、支給される服は、何年使ったのかわからないくらい年期がすごく入っており、ごわごわの質感です。普段ユニクロの質になれている人からすると、支給物は防寒性も低く低品質に感じるでしょう。
特に私は気にならないですが、人によっては他の人が来ていたものを着たくないという人も割といました。
自前のものは全く着ることができないの?と思うかもしれませんが、そんなことございません。
留置所によって厳しい緩いなどありますが、ルールを守れば差し入れで自前の洋服を中に入れることができます。
なのでオススメはユニクロで無地のTシャツとスウェット上下など買ってもらって差し入れをしてもらうだと思います。私自身も逮捕されたときは最初自前の洋服を急いで持ってきてもらいましたが、ほとんどNGで、再度ユニクロで購入してもらい差し入れしてもらいました。
着替えのルール
- 着替えの頻度
- 着替えは基本1日1回で、朝の運動の時間(お風呂の日であれば風呂の後)に着替えが可能でした。
- しかし着替えが可能なのは差し入れ等で自前の服を何着か持っている場合なので、支給物のスウェットだけの場合はそのまま着用になります。
- もし支給物だけしか洋服が無い場合は、私のいた留置所では1週間に1回洗濯があり、その際に新しい洋服を貸してもらえました。なので、支給物の場合は着替えは1週間に1回です。
- 着替えは、定期的に行われることが一般的ですが、ルールによって異なることもあります。基本的には、汚れた場合などに限り、担当さん(警察官)にお願いする形で着替えすることになります。
運動時間については、過去の記事の留置所の一日の過ごし方教えますをご覧ください。
身だしなみの管理
- 清潔感の維持
- 留置所内では、服装に清潔感を保つことが求められます。たとえ支給された服でも、乱れたまま過ごすのはNGです。身だしなみを整えることが、他の被疑者や警察官に良い印象を与えることにもつながります。
借りられるもの
留置所では、いくつかの物を借りることができます。具体的には以下の通りです。
日用品
- 基本的な用品
- 歯ブラシや歯磨き粉、シャンプー、石鹸などが支給されます。ただし、これらのアイテムは質や種類が限られているため、自分の好みに合うものが手に入るとは限りません。
- また基本は歯ブラシや歯磨き粉、シャンプーや石鹸、タオルについては、逮捕された際の所持金で自動的に購入されるシステムです(約1,000円弱)。ただし所持金1,000円が無い場合は上記は別途支給物で貸してもらえる可能性があります。
文房具
- ボールペン
- 書類を書いたり、メモを取ったりするための文房具も借りられます。
- ボールペンですが、これも自殺防止のため、ペンの先っぽがほんの少ししか出てこないもので、とても書きづらいです。ペンの先で人を刺したりとかできないようになっています。
- ボールペンについてはしっかり管理されており、借りる場合は毎回ペンの利用書に日付や自分の番号(番号が名前替わり)を書いて借りないといけません。
- また借りることができる時間も決まっており、朝は9時から、ご飯の時間は必ず一時返却が必須で、夜も17時までと決まっておりました。
- ノートや便箋や切手
- こちらは私のいた留置所ではすべて自弁で購入しないといけませんでした。
その他の借り物
- 衣服や寝具
- 基本的に自分の服は着られませんが、寝具やバスタオルなど、必要な場合は借りることができることもあります。特に冬場などは暖かいものが必要になるかもしれないので、早めに確認しておくと安心です。
担当さん(警察官)との接し方
留置所には、担当の警察官が常駐しています。
留置所の警察官の方は中でのルールとして「担当さん」と呼ぶルールでした。
同じ警察署でも、取り調べの刑事部と担当さんのいる留置部では全く違う組織の感じで、留置所での担当さんと容疑者間の会話はすべて守秘義務があるそうで、取り調べの刑事部へは一切伝わらないそうです。
なので私が最初不思議だったのが、中で他の容疑者が担当さんに犯行の手口などを会話している様子を目の当たりにした際に、起訴前なのに大丈夫なのか?と思ったら、守秘義務があるからというルールを教えてもらいました(私は完全に信用はできなかったので、自分のことをペラペラ話しませんでしたが)。
彼らとの接し方についてもいくつかポイントがあります。
- 敬意を持って接する
- 担当の警察官には敬意を持って接することが大切です。失礼な態度をとると、トラブルの元になることがありますからね。
- 担当さんとしても自分たちの仕事は「何も問題おこさず容疑者を中で安全に過ごさせる」なので、礼儀正しく接していれば、とても優しいです。
私が中にいたときは、893さんとかの方が本当に敬意をもって接していました。
- 質問は丁寧に
- 何か不明な点や困ったことがあれば、丁寧に質問しましょう。警察官もサポートするためにいるので、適切にコミュニケーションを取ることで、スムーズに事が進むこともあります。
逮捕された際に、取り調べなどもあり、警察官に対して怖いイメージを抱いていたのですが、担当さんのおかげで中にいても人の優しさは感じることができたので、個人的にすごい救われました。
しかし担当さんや留置所によって、ルールやお作法も違います。
私が聞いたのは「渋〇」とか「新〇」はとても厳しいと、何度も逮捕を経験している猛者さんから伺いました。
独居と共同部屋のルール
留置所では、独居(どっきょ)か共同部屋があります。
基本は留置所の人数のキャパもありますので、逮捕されたら共同部屋に入れられます。
私も最後の方は担当さんに「今日夜に新人入ってくるから、いろいろと教えてやってくれ」と言われ、初めて逮捕された人にルールなど教えたりして挙げてました。そうやって容疑者同士で教育していくのかと思いました。
しかし中には独居というものがございます。
担当さんから聞いた話なので、留置所によるのかもしれませんが、独居に入れられる場合は下記のいずれかに当てはまる場合らしいです。
- コミュニケーションが取れず、共同生活ができないと判断された人
- 殺人犯などの凶悪犯
- 893(組織に属している人は。相部屋NGで基本独居でした)
- 共同部屋が満室で独居しか開いていない場合
まとめ
留置所での生活は、思っている以上に厳しい面もありますが、ルールやお作法を守ることで少しでも快適に過ごすことができるはずです。トイレや服装のルール、借りられるもの、担当警察官との接し方についてなど知識を持つことで、あなたの不安を少しでも軽減してもらえたなら幸いです。
何より大切なのは、冷静に、そして落ち着いて行動することです。少しでも安心して過ごせるように、心がけてみてくださいね。