逮捕や捜査中に警察にスマホを押収されることがあるかもしれません。スマホは、個人情報が膨大に詰まったデバイスであり、その内容が捜査に影響を与えることもあります。特に、スマホには通話履歴やメッセージ、写真、位置情報などが記録されているため、警察に押収されると、どこまで調査されるのか心配になる人も多いでしょう。
この記事では、警察にスマホを押収された場合の流れや、その後にどう対応すべきかについて詳しく解説します。
携帯が押収されるケース
警察がスマホを押収するのは、いくつかのケースがあります。それぞれのケースに応じて、スマホが押収される理由やその後の流れが異なります。
逮捕されたとき
逮捕された場合、警察はあなたが犯した疑いのある犯罪に関連する証拠を押収することができます。スマホは、通話履歴やメッセージ、写真、GPS情報など、犯罪の証拠を含む可能性があるため、捜査の一環として押収されることがよくあります。特に、インターネットを介した犯罪や、連絡先が関連する事件では、スマホは重要な証拠となります。
捜査差し押さえされたとき
「捜査差し押さえ」とは、警察が捜査のために証拠として押収することです。この場合、警察は捜査令状を持ってスマホを取り上げることができます。捜査令状は裁判所が発行するもので、令状なしにスマホを押収することはできません。押収されたスマホは、警察の捜査が終了するまで調査されます。
任意提出されたとき
任意でスマホを提出した場合、警察は強制的にスマホを押収することはありません。捜査に協力するために自発的に提出する形になります。この場合、警察はスマホにアクセスするために、パスワードや指紋認証などを求めることがあります。提出するかどうかはあなたの判断に委ねられますが、提出を拒否しても犯罪にはなりません。
携帯やスマホをどこまで調べる?
警察がスマホを押収すると、どこまで調べることができるのでしょうか?スマホに保存されている情報は非常に多いため、捜査によって調べられる範囲は広範囲にわたります。警察は、あなたが犯した疑いのある犯罪に関連する証拠を探すために、以下のような情報を調べることができます。
ただし、警察が調べられる範囲は、あなたが犯した犯罪の疑いと関連がある情報に限られます。無関係な情報やプライバシーに関わるデータについては、通常は無断で調査することはできません。違法に調査を行った場合、証拠能力を問われることもあるため、捜査機関は慎重に調査を進めます。
通話履歴・メッセージの内容
警察は、通話履歴やメッセージ(LINEやSMSなど)を調べて、犯罪と関連があるかどうかを確認します。特に犯罪に関与した相手とのやり取りがあれば、その内容が証拠として利用されます。
画像・動画のデータ解析・復元
盗撮事件など、映像が証拠となる場合、警察はスマホに保存された画像や動画を調べるだけでなく、削除されたデータを復元する技術を使うこともあります。過去に削除した写真や動画も、復元される可能性が高いため、注意が必要です。
共犯者とのやりとり
共犯者がいる場合、LINEのメッセージや通話履歴などが確認され、証拠となる可能性があります。もしLINEやメッセージのやりとりを削除しても、データは復元されることがあるため、証拠隠滅にはなりません。削除した履歴を復元する技術は非常に進化しており、スマホ内の情報がすぐに見つかる場合もあります。
検索履歴
殺人事件などの重大事件では、スマホの検索履歴やインターネットで調べた内容が捜査対象になります。事件に関連する情報を検索していた場合、その履歴は証拠として利用されることがあります。警察は、スマホに残された検索履歴を調べ、事件と関連性があるかどうかを確認します。
さらに詳しく知りたい方は、別途記載の逮捕されたときにスマホの中身はどこまで見られるの?をご覧ください。
押収を拒否したらどうなる?
スマホの押収を拒否することは可能ですが、その場合は警察は捜査令状を取得して再度スマホを押収することになります。捜査令状があれば、警察は法的にあなたのスマホを取り上げることができます。なので結局は押収されることになります。
拒否しても罰せられることはありませんが、警察が強制的に押収を行う場合、捜査が長引く可能性もあるため、協力する方がスムーズに進むことが多いです。
スマホから余罪が発覚する?
スマホには、過去のやりとりや位置情報、検索履歴など、思わぬ証拠が残っている場合があります。そのため、捜査によって、余罪が発覚することもあります。例えば、過去に関与した犯罪の証拠が見つかることがあるため、注意が必要です。
特に、削除したデータやメッセージも復元されることがあるため、「過去のことは隠したつもりでも、証拠が残っている」といった場合もあります。
いつ返してもらえる?押収される期間は?
スマホが押収された場合、その返却までの期間は捜査の進行状況により異なります。通常、捜査が終了して、証拠としての必要性がなくなれば返却されますが、捜査が続いている間はスマホが返されないことがあります。押収期間は数週間から数ヶ月、場合によってはさらに長期間にわたることもあります。
返却を求めたい場合は、弁護士を通じて、警察に返却を依頼することができます。
まとめ
スマホは、個人情報の宝庫であり、警察が押収すると、決定的な証拠や余罪が発覚するおそれがあります。通話履歴やメッセージ、検索履歴、写真・動画の内容などが調べられ、場合によっては削除されたデータの復元も行われます。特に、盗撮や殺人などの重大事件では、スマホ内の情報が重要な証拠となることがあります。
逮捕されている場合はもちろん、逮捕されずに警察に呼び出されている場合でも、不利な状況に陥る前に弁護士に相談して対策を講じることが重要です。弁護士はあなたの権利を守り、スマホの取り扱いについても適切なアドバイスをくれるでしょう。
また、スマホは生活に欠かせないツールであり、押収されたままで返却されない場合は大きな不便を強いられます。返却を希望する場合、弁護士を通じて返却を求めるとよいでしょう。